理系は英語が話せない?論文は読めるのに口が動かない3つの理由と“理系式”4ステップ

オンライン英会話のレッスンをノートパソコンとスマホで受ける男性

こんなことで悩んでいませんか?

  • 理系だから英語が話せないのは仕方ないと思っている
  • 英語の論文や技術文書は読めるのに会話だけできない
  • 海外拠点との打ち合わせで一言も発言できなかった
  • 専門用語は言えるのに雑談になると黙ってしまう
  • 参考書は増えるのに話せるようになる気配がない

英語の論文は辞書なしで読めるのに、いざ口を開こうとすると何も出てこない。理系の方から、この悩みを本当によく聞きます。

先に言っておくと、理系だから英語が話せない、という因果関係はありません。読む力と話す力はそもそも別の能力で、しかも理系の学び方は英会話ととても相性がいいからです。

この記事を読むと分かること

  • 理系が英語を話せないと感じる3つの理由
  • 論文は読めるのに口が動かない仕組み
  • 理系の強みを英会話に転用する4ステップ
  • 理系がつまずきやすい場面と回避策
  • 理系に向いているオンライン英会話の選び方
目次

理系が英語を話せないと感じる3つの理由

理系が英語を話せない理由を考えながら辞書とノートを広げた学習机

まず、理系が英語を話せないと感じるのはなぜかを整理します。ここを取り違えたまま勉強量だけ増やしても、話せるようにはなりません。

私が話を聞いてきた限り、理由は大きく3つに分かれます。どれも「理系だから」ではなく、環境と練習内容の問題です。

  • 読む英語と話す英語は別の能力だから
  • 発話は一瞬で組み立てる作業だから
  • 専門分野の外の英語を練習していないから

理由1:読む英語と話す英語はそもそも別の能力

論文を読むときは、辞書を引けますし、何度でも読み返せます。分からない文があっても、前後の図表や数式から意味を補えます。

一方で会話には、この「戻る」「調べる」「補う」がありません。同じ英語という名前がついているだけで、要求されている処理はまったく別物です。

出典・根拠:ジム・カミンズ「BICS/CALP」の区別 — 日常的な対人伝達能力(BICS)と、学術的な場面で使う言語能力(CALP)は別々に発達するとする第二言語習得の枠組み。読み書きの学術英語が高くても会話が伸びない現象を説明する。

つまり、理系が英語を話せないのではなく、学術英語だけを鍛えてきた結果として会話が手つかずになっているだけです。順番の問題であって、能力の問題ではありません。

理由2:発話は一瞬で組み立てる作業だから間に合わない

会話中、私たちは言いたいことを思いつき、単語を選び、語順を決め、音にするという工程を連続で回しています。この一連の工程が数百ミリ秒で走らないと、会話のテンポに乗れません。

出典・根拠:ウィレム・レヴェルト『Speaking: From Intention to Articulation』(1989)の発話産出モデル — 発話は「概念化」「言語形式化」「調音」という段階を経て生成されるとし、各段階が自動化されていないと流暢さが損なわれるとする。

理系の方は、頭の中で日本語の設計図をきちんと作ってから英語に変換しようとしがちです。設計としては正しいのですが、この工程を毎回手動でやると確実に間に合いません

ハヤマ

私も最初は頭の中で日本語を作ってから訳していました。その3秒で会話は次の話題に進んでしまいます。

理由3:専門分野の外の英語を練習していない

これは理系に特有の落とし穴です。研究や開発で触れる英語は、専門用語と受動態と定型表現で構成された、かなり狭い範囲の英語に偏っています。

だから「measurement」や「hypothesis」はすぐ出るのに、「週末どう過ごしたか」を英語で言えない、という逆転が起きます。単語を知らないのではなく、その用途で使った経験がないだけです。

ここまでの3つは、どれも練習の設計を変えれば解消できます。理系が英語を話せないという思い込みは、ここでいったん外してください。

理系の強みは英会話でそのまま武器になる

理系の学び方を英会話に活かすための英語教材と本を積み重ねた机

次に、あまり語られない話をします。理系の学び方は、英会話の上達と非常に相性がいいという点です。

英会話が伸び悩む人の多くは「なんとなく続ける」で止まります。理系の方が普段やっている条件を決めて、測って、直すという進め方は、それだけで大きな差になります。

強み1:条件を決めて再現する力

実験で条件を固定するのと同じように、英会話も「教材」「講師」「時間帯」を固定すると変化が読めるようになります。毎回すべてを変えていると、良くなったのか悪くなったのかが判断できません。

私が最初の3か月でやってよかったのは、教材を1冊に絞ったことでした。条件を固定した週から、自分のどこが弱いのかがはっきり見えるようになりました

強み2:数字で測る力

英会話の上達は感覚で判断すると必ず過小評価になります。理系の方は数えることに抵抗がないので、ここで有利です。

たとえば「1レッスン中に自分から質問した回数」「言えずに詰まった回数」を数えるだけで十分です。3か月分並べると、伸びは必ず数字に出ます

強み3:型を作って回す力

コードでも実験手順でも、理系の方は再利用できる型を作るのが得意です。英会話も同じで、自己紹介や説明の型を用意しておくと、その分だけ考える負荷が減ります。

型を持っている人は、会話中に「内容」だけに集中できます。語順や時制を毎回ゼロから考えている人とは、疲れ方がまったく違います。

理系が英語を話せるようになる4ステップ

理系の社会人がノートパソコンでオンライン英会話のレッスンを受けている様子

ここからが本題です。理系の強みを踏まえて、話せるようになるまでの手順を4つに分けて説明します。

順番に意味があります。とくにステップ1を飛ばすと、あとの3つが機能しません。

  1. 話す場面を1つだけ決める
  2. 自分の仕事を英語3文にする
  3. 週2回、相手のいる場で使う
  4. 言えなかった一言を回収する

ステップ1:話す場面を1つだけ「仕様」として決める

最初にやるのは、勉強ではなく要件定義です。「英語を話せるようになりたい」ではなく、どの場面で何ができれば合格かを1つに絞ります。

たとえば「海外拠点との定例で、自分の担当分を2分で説明して質問に答える」まで具体化します。ここまで決めると、やるべき練習が自動的に決まります

  • 誰と話すのか(同僚/顧客/学会)
  • 何を伝えるのか(進捗/仕様/質問)
  • どれくらいの長さか(2分/5分)

逆に、場面を決めずに始めると、教材選びで迷い続けることになります。理系が英語を話せない状態が長引く原因の多くは、実はここにあります。

ステップ2:自分の専門と仕事を英語3文にする

次に、自分について話す英文を3つだけ作ります。所属と職種、いま扱っているテーマ、それをやっている理由の3つで十分です。

ポイントは、専門用語を並べないことです。中学レベルの単語で言い換える練習が、そのまま会話力になります。

私が見てきた中でも、この3文を用意した人は初回レッスンの手応えがまるで違いました。準備なしで臨むと、自己紹介の10秒で止まってしまいます。

ステップ3:週2回、相手のいる場で必ず使う

ここが最大の関門です。理系の方は独学の設計が得意な分、相手のいる場を後回しにしがちだからです。

ただ、発話の工程を速くするには、実際に人と話して回数を積むしかありません。教材を読み込む時間を半分に減らしてでも、話す枠を先に確保してください。

職場に英語を使う機会がないなら、オンライン英会話が現実的です。教材の種類が多く、科学や技術のニュースを扱った教材もあるDMM英会話の公式サイトのようなサービスなら、自分の関心に近い話題で練習できます。

週2回でも、3か月続ければ24回です。1回25分としても、合計10時間の発話練習になります。

ステップ4:言えなかった一言を1日1つ回収する

レッスン中に必ず「言いたかったのに出てこなかった一言」が生まれます。これを1日1つだけメモして、英語にして声に出します。

1日1つなら年間で300以上になります。理系の方にとっては、バグ票を1件ずつ潰していく作業と同じ感覚だと思います。

逆に、まとめて復習しようとすると必ず溜まって挫折します。1日1つという上限を守ることが、続けるための条件です。

理系がつまずきやすい3つの場面と回避策

理系が英語学習でつまずいたときに振り返るためのノートと復習の記録

4ステップを回し始めると、理系の方に共通したつまずき方が出てきます。あらかじめ知っておくと、そこで止まらずに済みます。

ここでは、私が特によく相談を受ける3つの場面を取り上げます。

つまずき1:正しい文法で言おうとして黙ってしまう

正確さを重んじる習慣が、会話では逆に働きます。時制や冠詞を確認している間に、話す順番が過ぎてしまうためです。

回避策は、レッスン中だけ「正確さより先に一言出す」を優先ルールにすることです。誤りは、あとで回収すれば十分間に合います。

私自身、完璧な一文を作ろうとして黙っていた時期がいちばん伸びませんでした。壊れた英語でも、口から出た分だけが練習になります。

つまずき2:専門用語は言えるのに雑談が続かない

仕事の話はできるのに、その前後の雑談で沈黙する。理系の方から本当によく聞く悩みです。

回避策は、雑談を実力ではなくネタの在庫の問題として扱うことです。週末・通勤・食べ物・天気の4つについて、それぞれ2文ずつ用意しておけば足ります。

  • 週末に何をしたか(2文)
  • 通勤や住んでいる場所(2文)
  • 最近食べたもの(2文)
  • 今日の天気と気分(2文)

使い回してかまいません。同じ話を繰り返すうちに、余計な負荷なしで言えるようになっていきます。

つまずき3:伸びない不安から参考書を増やしてしまう

手応えがないと、教材の質を疑って買い足したくなります。しかし、話せない原因が発話量の不足なら、読む教材を増やしても解決しません。

回避策は、教材を足す前に自分の現在地を第三者に言語化してもらうことです。日本人カウンセラーに相談できるレアジョブ英会話の公式サイトのようなサービスなら、いま足りないのが語彙なのか発話量なのかを整理してもらえます。

ハヤマ

私も一時期、参考書だけが増えていきました。増やすより、話す回数を1回足すほうが効きます。

理系に向いているオンライン英会話の選び方

理系に向いているオンライン英会話を選んで自信を持って話せるようになった様子

サービス選びも、理系らしく基準を決めてから比べると迷いません。ここでは、私が実際に10社以上を試して重要だと感じた3つの基準を挙げます。

価格や講師数よりも、条件を固定して測れるかどうかで選ぶのがおすすめです。

基準1:教材が体系立っているか

レベル分けが明確で、同じシリーズを最後まで進められる教材があるかを見ます。毎回ばらばらの教材を選ぶ形式だと、条件が固定できません。

また、時事ニュース教材があると話題探しの手間が消えます。とくに科学や技術の記事を扱っている教材は、理系の関心とかみ合いやすいと感じています。

基準2:レッスンの記録が残るか

講師からのレッスンレポートや、チャット欄のログが残るかを確認します。記録がないと、あとから振り返って比較する材料がありません。

記録が残るサービスなら、3か月前と今のレポートを並べるだけで変化が分かります。測れる仕組みがあること自体が、続ける理由になります。

基準3:忙しい週に頻度を下げられるか

実験や納期が重なる週は必ず来ます。そのときに休会や回数変更ができるかどうかで、続くかどうかが決まります。

止めるのではなく、下げて残す。この選択肢があるサービスを選んでおくと、忙しさを理由にした完全停止を避けられます。

オンライン英会話が向いている理系の人

読む力はすでにあり、話す機会だけが不足している人には非常に向いています。土台があるので、発話量を足した分がそのまま結果に出やすいからです。

また、記録を取って改善するのが苦にならない人も相性が良いです。まずはDMM英会話の公式サイトなどで無料体験を受け、教材の体系と記録の残り方を自分の目で確かめてみてください。

オンライン英会話が向いていない理系の人

逆に、中学英語の文法があいまいなまま始めると、レッスン中に固まる時間が長くなります。この場合は、先に文法を2週間だけ総ざらいしてから始めたほうが早いです。

また、来月に学会発表が控えているなど期限が近い場合も、汎用の英会話より原稿の作り込みを優先すべきです。目的と期限によって、最適な手段は変わります。

なお、読めるのに話せないという状態そのものの仕組みは、こちらの記事で詳しく整理しています。

英語は読めるけど話せない社会人へ|口から出ない3つの原因と話せるようになる5ステップ

理系の英語やり直しを3か月続けた後に確認すること

理系が英語を話せるようになり多国籍のグループで笑顔で会話している様子

3か月というのは、変化が数字に出始めるまでの最低ラインです。ここで正しく確認しないと、伸びているのに「やっぱり理系だから英語が話せない」と誤判定してしまいます。

確認の作業は、レッスン1回分より短い時間で終わります。以下の項目を順に見てください。

  1. 自分から質問した回数は増えたか
  2. 詰まって黙った回数は減ったか
  3. 回収した一言は何個たまったか
  4. 教材と講師を固定できていたか
  5. 週2回を守れた週は何週あったか

毎月測る3つの数字

測る対象は、質問した回数・詰まった回数・回収した一言の数の3つだけで十分です。感想ではなく数字にしておくと、後から比較できます。

私の場合、話せている実感が出るより先に詰まった回数のほうが減り始めました。実感は数字より遅れて来ると思っておくと、途中でやめずに済みます。

伸びていないときに変える「1か所だけ」

数字が動いていないときは、一度に何もかも変えないでください。変えるのは1か所だけにして、次の1か月でまた測ります。

優先順位としては、頻度→教材のレベル→講師の順に見直すのがおすすめです。多くの場合、頻度が足りていないだけです。

ハヤマ

変数を1つずつ動かす。ここは理系の方がいちばん得意なところだと思います。

「自分は◯◯だからできない」という思い込みの外し方は、文系側の視点でも書いています。あわせて読むと、属性のラベルがいかに関係ないかが分かるはずです。

文系だから英語が話せないは思い込み?コンプレックスを抜け出す社会人の5ステップ

理系と英語に関するよくある質問

最後に、理系の方から特に多い質問に答えておきます。どれも私自身が一度は迷った内容です。

TOEICの点数が高ければ話せるようになりますか?

直接はつながりません。TOEICのListening & Readingは読む・聞く力を測る試験で、発話の工程は測っていないからです。

点数が高い方は語彙と文法の土台があるので、話す練習を足したときの伸びは速い傾向があります。土台は無駄になりません。

専門分野の英語だけ話せれば十分ではないですか?

会議や学会の本題だけなら、それでも成立します。ただ実際には、始まる前と終わった後の雑談で関係が決まる場面が多いのが現実です。

雑談用の2文セットを4テーマ分だけ用意しておけば、そこはほぼ困りません。負担は思っているより小さいです。

仕事が忙しくて週2回も取れません

その場合は週1回に下げて、代わりに1日1つの一言回収だけは毎日続けてください。回数が減っても、ゼロにしないことのほうが重要です。

忙しい時期は維持が目的で構いません。落ち着いてから頻度を戻せば、再開のコストがほとんどかかりません。

まとめ|理系だから英語が話せないわけではない

理系が英語を話せないと感じるのは、読む英語だけを鍛えてきた結果であって、適性の問題ではありません。むしろ条件を固定して測る学び方は、英会話ととても相性がいいものです。

  • 読む力と話す力は別々に伸ばす必要がある
  • 話す場面を1つだけ決めてから始める
  • 自分の仕事を中学英語で3文にする
  • 週2回、相手のいる場で必ず使う
  • 言えなかった一言を1日1つ回収する

この5つを3か月分だけ回してみてください。数字が動き始めたとき、理系だからという理由づけは自然に消えます

ハヤマ

読める土台がある時点で、あとは口を動かす回数だけです。ここは本当に、やった分だけ返ってきます。

執筆者:佐藤みなと(英会話コンパス編集長)
30歳まで英語ゼロの元・国内営業で、オンライン英会話でやり直しを始めてから10社以上の無料体験を経験。初心者がつまずくポイントを、自分の失敗をもとに書いています。

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