TOEICの点数はあるのに話せない社会人へ|スコアと会話力のギャップが埋まらない3つの理由とタイプ別の抜け出し方

ノートに書きながら勉強する手元とマグカップ

こんなことで悩んでいませんか?

  • TOEICの点数はあるのに、実際の会話では一言も出てこない
  • 「そのスコアなら話せるよね」と言われるのが一番つらい
  • 会議で英語がふられた瞬間、頭が真っ白になった
  • 履歴書のスコアと自分の実力が違いすぎて後ろめたい
  • 今さら初心者向けのレッスンを受けるのが恥ずかしい

TOEICの点数はあるのに話せないのは、あなたが怠けていたからではありません。TOEICで鍛えた力と、会話で使う力がそもそも別の種類だからです。

私も800点台を取った翌月の会議で、一言も返せずに固まりました。ここでは同じ悔しさを味わった人向けに、ギャップが埋まらない理由と、タイプ別の抜け出し方をまとめます。

この記事を読むと分かること

  • TOEICの点数はあるのに話せない3つの理由
  • 点数があるほど恥ずかしさが強くなる仕組み
  • 4タイプ別・ギャップの埋め方が分かる診断表
  • スコアを会話に変えるために今日からできる練習
目次

「TOEICの点数はあるのに話せない」と気づいた会議の話

TOEICの点数はあるのに話せないと悩んで机で考え込む社会人

私が自分のスコアと実力の差を突きつけられたのは、取引先とのオンライン会議でした。上司が「英語なら彼が分かるので」と、何の前触れもなく私に話を振ったのです。

相手が何を言っているかは、9割方その場で理解できていました。それなのに、返す言葉だけがまったく出てこなかったのです。

聞き取れているのに、返事だけが出てこなかった

沈黙は体感で30秒ほど続きました。頭の中では「納期は来週中に確認して折り返します」という日本語が、はっきりと完成していたのを覚えています。

しかし、その日本語を英語の形に組み立てる作業が、まるで間に合いませんでした。結局その場は上司が引き取り、私は「すみません」とだけ言って画面を見つめていたのです。

会議が終わったあと、一番こたえたのは自分の英語力そのものではありませんでした。スコアを知っている人の前で固まった、という事実のほうがずっと重かったのです。

ハヤマ

「点数があるのに話せない」の苦しさは、英語力の問題より“期待とのズレ”から来ています。

スコアが上がっても会話の詰まりは消えなかった

その後も私は問題集を解き続け、スコアだけは順調に伸びました。ところが半年後の別の会議でも、詰まる場所はまったく同じだったのです。

そこでようやく、解く練習をいくら重ねても話す力は増えないのだと気づきました。ここが今回の話の出発点になります。

TOEICの点数はあるのに話せない3つの理由

TOEICのスコアを会話に変えるため声に出して英語を話す練習をする様子

TOEICの点数はあるのに話せない状態には、はっきりした理由が3つあります。どれも能力の不足ではなく、練習してきた中身のズレから生まれるものです。

  • 理由1:TOEICは「選ぶ力」、会話は「作る力」を使う
  • 理由2:許される持ち時間が10倍以上ちがう
  • 理由3:声に出した英語の総量が足りていない

順に見ていくと、自分がどこで止まっているのかが具体的に分かります。原因が分かれば、やるべき練習も自動的に絞り込めます。

理由1|TOEICは「選ぶ力」、会話は「作る力」を使う

TOEIC Listening & Reading は、用意された選択肢から正解を選ぶ試験です。目の前に答えの候補が並んでいる状態で、正しいものを見抜く力が問われます。

一方で会話には選択肢がありません。ゼロから自分で文を組み立てる作業が必要になり、ここが訓練されていないのです。

出典・根拠:国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)— TOEIC Listening & Reading Test が測定するのは「聞く・読む」の2技能であり、「話す・書く」力は別試験の TOEIC Speaking & Writing Tests で測るとされている。

つまり点数が高いのに話せないのは、異常でも何でもありません。測っていない技能が育っていないだけという、ごく当たり前の結果なのです。

理由2|許される持ち時間が10倍以上ちがう

リーディングでは、1問あたり30秒前後をかけて考えることができます。分からなければ設問に戻り、読み直すことも許されています。

ところが会話で相手が待ってくれるのは、長くても2〜3秒ほどです。読み直しも巻き戻しもできない中で、意味と形を同時に処理しなければなりません。

言語学では、話す行為は「言いたいことを決める→英語の形にする→声にする」という段階を踏むと説明されます。TOEIC対策では真ん中の工程を時間無制限でやっているため、会話の速さに間に合わないのです。

出典・根拠:ウィレム・レヴェルト『Speaking: From Intention to Articulation』(1989)— 発話は「概念化(何を言うか)→形式化(語と文法を選ぶ)→調音(音にする)」の段階を経て産出されるとする発話産出モデル。

理由3|声に出した英語の総量が足りていない

私はスコアを100点上げるまでに、問題集を10冊以上こなしました。しかしその間に英語を声に出した時間は、合計しても数時間程度だったはずです。

知識としては知っている表現でも、口が動いた回数がゼロなら本番では出てきません。話す力だけは、話した分しか伸びないのが厳しいところです。

ハヤマ

私の場合、口を動かした総時間が10時間を超えたあたりから、詰まる時間が短くなりました。

読む力と話す力のズレについては、こちらの記事でも原因ごとに整理しています。あわせて読むと、自分の詰まりどころがさらにはっきりします。

英語は読めるけど話せない社会人へ|口から出ない3つの原因と話せるようになる5ステップ

TOEICの点数があるほど「話せないのが恥ずかしい」と感じる理由

TOEICの点数はあるのに話せないことを恥ずかしいと感じて悩む社会人

点数を持っている人ほど、話せないことを強く恥じる傾向があります。これは性格の問題ではなく、スコアという数字が周囲と自分の両方に働きかけるためです。

恥ずかしさの正体を分けて見ると、無駄に苦しまずに済みます。ここでは3つの角度から整理します。

スコアが周囲の期待値を勝手に引き上げる

履歴書や社内システムに書かれた数字は、あなたが説明する前に一人歩きします。周りは「その点数なら日常会話くらいは平気だろう」と自然に想像するのです。

だから英語の場面で真っ先に名前が挙がり、逃げ場がなくなります。期待値だけが実力を追い越している状態が、あの気まずさの正体です。

「点数があるのに」という自己評価の落差

もう一つの苦しさは、自分自身が自分に厳しくなることです。初心者なら許せるはずの言い間違いを、「この点数で間違えるのは論外だ」と切り捨ててしまいます。

実績があるのに自分は実力不足だと感じてしまう状態は、心理学で長く研究されてきたテーマでもあります。あなたにだけ起きている異常事態ではありません。

出典・根拠:ポーリン・クランス&スザンヌ・アイムス「インポスター現象」(1978)— 客観的な実績があるにもかかわらず、自分の能力を過小評価し「見せかけだ」と感じてしまう心理傾向を示した研究。

恥ずかしさが口を重くする悪循環

厄介なのは、恥ずかしさそのものが発話をさらに止めることです。間違いを恐れるほど文を完璧に作ろうとして、結果的に沈黙が長くなります。

そして沈黙のあとに残る自己嫌悪が、次の機会をますます怖くします。この循環を断つには、点数を知らない相手と話す場が有効でした。

その意味で、私にとって回り道に見えて一番効いたのがオンライン英会話です。講師はこちらのスコアを知らないので、期待値のズレが最初から存在しません。

私が最初に使ったのは、時間内なら回数無制限でレッスンを受けられるネイティブキャンプ公式サイトでした。うまくいかなくても数分後にもう一度やり直せる環境が、恥ずかしさを薄めてくれます。

タイプ別|TOEICの点数と会話力のギャップを埋める方法

TOEICの点数と会話力のギャップをタイプ別に診断するイメージ

「話せない」と一口に言っても、詰まる場所は人によって違います。まずは下の表で、自分がどのタイプに近いかを確認してみてください。

タイプ詰まり方の特徴優先してやること
組み立て遅れ型言いたい日本語は浮かぶが英語化が間に合わない短文の即答練習
完璧主義型正しい文にしようとして口が開かない粗い英語で言い切る練習
語彙偏り型試験の語は知っているが日常語が出ない言い換えの練習
場数不足型そもそも英語で話した経験が数回しかない回数を増やすこと

複数当てはまる場合は、一番上に近いものから手をつけると進みが速くなります。以下で各タイプの具体策を説明します。

組み立て遅れ型|短い文で即答する練習に絞る

このタイプは知識が足りないのではなく、変換の速度だけが遅れています。長い文を捨てて、主語と動詞だけの短文を1秒で出す練習に切り替えてください。

私は「I’ll check it.」「Let me confirm.」のような3語の返しを20個だけ用意しました。会議で沈黙が消えたのは、この20個を口が覚えてからです。

完璧主義型|粗い英語で言い切る練習をする

点数が高い人ほど、文法的に正しい形にこだわって口が止まります。時制や冠詞が多少ずれていても、意味が通れば会話は前に進みます。

おすすめは、レッスンの最初に「途中で直さず最後まで言わせてください」と講師に伝えることです。言い切る経験を積むほど、間違いへの恐怖は薄れます

語彙偏り型|知っている語での言い換えに慣れる

試験用の語彙は豊富なのに、「洗濯物を干す」のような日常表現が出ないのがこのタイプです。足りないのは語彙数ではなく、簡単な語で回り道をする技術です。

単語が出てこない場面での立て直し方は、こちらの記事に詳しくまとめています。言い換えの型を先に知っておくと、詰まっても会話が止まりません。

オンライン英会話で単語が出てこないあなたへ|語彙力を増やす前に直す3つの原因と言い換えのコツ

場数不足型|まず話した回数そのものを増やす

英語で話した経験が数回しかないなら、分析より先に回数が必要です。週1回のレッスンより、10分でも毎日話すほうが変化は早く出ます。

教材の種類で選ぶなら、記事を読んで意見を述べる形式が点数持ちの人と相性がいいです。読解力をそのまま会話に持ち込めるため、DMM英会話公式サイトのニュース教材のような素材は入口として使いやすいと感じました。

ハヤマ

読める人は、読んだ内容について話す形式から入ると圧倒的にラクです。

今日から変える一歩|TOEICのスコアを会話に変える3つの練習

TOEICのスコアを会話力に変えるため自宅でオンライン英会話に取り組むデスク

ここからは、私が実際に効果を感じた順に3つの練習を紹介します。どれも新しい教材を買わずに始められるものです。

  1. 解いた問題文を声に出して言い直す
  2. 1日1回、英語で3文だけ話す場を作る
  3. 詰まった表現をその日のうちに1つ回収する

3つとも1日15分あれば回せる分量です。順に手順を説明します。

練習1|解いた問題文を声に出して言い直す

新しい教材は不要で、これまで解いてきた問題集がそのまま使えます。正解した英文を見ずに、内容を自分の言葉で口に出してみてください。

ここで初めて「読めば分かるのに言えない」自分に出会えます。知っている英語を使える英語に変える最短の作業がこれでした。

練習2|1日1回、英語で3文だけ話す場を作る

目標を「25分きっちり話す」に置くと、忙しい日に必ず崩れます。今日の出来事を英語で3文だけと決めておくと、続けられる確率が跳ね上がります。

相手がいるほうが良いのは、こちらの都合で止められないからです。予約なしで思い立った瞬間に開始できるサービスなら、3文だけ話して切り上げる使い方もしやすくなります。

練習3|詰まった表現をその日のうちに1つ回収する

話したあとに「あれが言えなかった」という悔しさが必ず残ります。その中から1つだけ選び、正しい言い方を調べて声に出しておきましょう。

1日1つでも、3か月で90個の武器になります。私はこの回収作業を始めてから、同じ場所で詰まることが目に見えて減りました。

ハヤマ

回収した表現は、次のレッスンで必ず1回使うと定着が段違いです。

なお、話しているのに伸びている実感が湧かないときは、練習の中身自体を見直す必要があります。その場合はこちらの記事が参考になります。

オンライン英会話でスピーキングが伸びないあなたへ|話せているのに上達しない3つの原因と直し方

TOEICの点数はあるのに話せない人からよくある質問

TOEICの点数はあるのに話せない悩みが解けて笑顔で英会話をする人たち

最後に、同じ悩みを持つ人からよく届く質問に答えます。どれも私自身が最初に引っかかったところです。

TOEICの点数が高いのに初心者向けレッスンを受けてもいい?

まったく問題ありませんし、むしろ最初はそこから始めるべきです。読解力と発話力は別の指標なので、話す力に合わせた教材を選ぶのが正解になります。

講師はあなたのスコアを知りませんし、聞かれることもほとんどありません。点数は教材選びの基準にしなくていいと割り切ると、一気に気が楽になります。

話せるようになるまでどのくらいかかる?

詰まる時間が短くなる実感は、毎日話す前提で1か月ほどで出てきます。ただし「言いたいことが自由に言える」まではもっと長い時間が必要です。

私の場合、会議で自分から発言できるようになるまで半年かかりました。期間より、話した総時間で考えるほうが現実的です。

スコアを上げる勉強は続けたほうがいい?

会話ができるようになりたいのが目的なら、いったん止めて構いません。スコアの勉強と会話の練習は別枠で、同時に追うと時間が分散してしまいます。

昇進要件などで数字が必要な人だけ、時期を分けて取り組むのがおすすめです。同じ3か月なら、どちらか一方に寄せたほうが結果は出ます

まとめ|TOEICの点数はあるのに話せないのは順番の問題

TOEICの点数はあるのに話せないのは、才能でも努力不足でもありません。測っていない技能を、まだ練習していないだけです。

  • TOEICは選ぶ力、会話は作る力で種類が違う
  • 会話の持ち時間は2〜3秒しかない
  • 恥ずかしさは期待値とのズレから生まれる
  • 自分のタイプに合わせて練習を絞る
  • 1日3文でいいので声に出す場を作る

スコアという土台がある人は、話す練習を始めたときの伸びが本来とても速いはずです。あとは口を動かす回数を足すだけで、あの沈黙は必ず短くなっていきます。

まずは無料体験で、点数を知らない講師と3文だけ話してみてください。私はネイティブキャンプで回数を稼ぎ、DMM英会話のニュース教材で内容のある話をする、という組み合わせに落ち着きました。

佐藤みなと(英会話コンパス編集長)
30歳まで英語ゼロの国内営業から、オンライン英会話10社以上を無料体験。TOEICのスコアだけが先行して話せなかった時期を経験し、同じ悔しさを抱える方に向けて書いています。

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