
海外赴任なのに英語が話せない不安へ|膨らむ3つの原因と渡航前の対処法

こんなことで悩んでいませんか?
- 海外赴任が決まったのに英語が話せない
- 会議で何も言えず評価が落ちそうで不安
- 渡航まで数か月しかなく何から手を付けるか分からない
- TOEICの点はあるのに口から英語が出ない
- 今さら英語ができないと言い出せない
「来期から海外赴任」と言われた瞬間、頭に浮かんだのが仕事ではなく英語だった人は少なくありません。英語が話せないまま海外赴任することへの不安は、真面目に仕事をしてきた人ほど強く出ます。
ただ、その不安の中身をほどいていくと、英語力そのものが原因ではない部分がかなり混ざっています。私自身も30歳まで英語ゼロで、初めて英語が必要な場に放り込まれたときは同じ状態でした。
この記事を読むと分かること
- 海外赴任で英語が話せない不安が膨らむ3つの原因
- 赴任先で本当に必要な英語力の中身
- 渡航前にやるべき3つの対処法
- 残り期間別(3か月/1か月/赴任後)の進め方
- 赴任前の英語準備でやりがちな失敗
海外赴任で「英語が話せない」不安が膨らむ3つの原因


海外赴任が決まってからの不安は、英語力の不足だけで説明できるものではありません。同じ英語力でも、平気な顔で渡航していく人と、眠れなくなる人がいます。
違いを作っているのは、不安の作られ方です。ここでは、海外赴任で英語が話せない不安が実際より大きく膨らむ原因を3つに分けて整理します。
- 原因1:仕事の評価と英語力を頭の中で直結させている
- 原因2:「話せる」の基準を自分で吊り上げている
- 原因3:渡航日という締切だけが決まっている
原因1:仕事の評価と英語力を頭の中で直結させている
海外赴任を任されるということは、その時点で仕事の力を認められているということです。英語力だけで選ばれた人はほとんどいません。
それでも不安になるのは、頭の中で英語が話せない=仕事ができない人だと思われるという等式ができあがっているからです。この等式ができると、英語の失敗がすべて自分の評価の問題に見えてきます。
実際には、赴任先で評価されるのは英語の流暢さではなく、納期を守るか・数字を出すか・現地スタッフと信頼関係を作れるかです。英語はその手段のひとつにすぎません。



私も最初は「英語が下手=使えない人」だと思い込んでいました。実際は、無言で固まる時間のほうが評価を下げます。
原因2:「話せる」の基準を自分で吊り上げている
英語が話せない不安を抱える人に「どうなれば安心ですか」と聞くと、たいてい映画のような会話を思い浮かべています。冗談を言い合い、会議で即座に反論できる状態です。
その基準を持ったまま自分を採点すれば、何年やっても不合格のままです。海外赴任で必要なのは、自分の担当業務について正確にやりとりできることで、雑談力ではありません。
基準を「仕事が止まらない英語」に置き直すと、必要な準備量は一気に現実的になります。覚えるべき語彙も、自分の業務の周辺に絞り込めます。
原因3:渡航日という締切だけが決まっている
不安がいちばん膨らむのは、締切だけが決まっていて中身が決まっていない状態です。海外赴任はまさにその典型で、渡航日は動かせません。
やることが決まっていないと、人は残り日数を数えることに時間を使います。参考書を何冊も買っては手を付けられない、という状態はここから生まれます。
逆に言えば、やることを3つに絞った瞬間に不安は目に見えて小さくなります。後半でその3つを具体的に挙げます。
海外赴任で必要な英語力は「話せる」より「確認できる」


赴任前の準備でいちばん効くのは、必要な英語力の中身を具体的に知っておくことです。イメージしている「話せる」と、現場で求められる力にはズレがあります。
ここでは、実際に海外で働いた人が口をそろえて言う3つのポイントを見ていきます。
最初に困るのは雑談ではなく業務の確認
赴任直後に困るのは、飲み会の雑談ではありません。「その納期は今週金曜で合っていますか」「誰が承認しますか」といった確認のやりとりです。
ここで曖昧なまま流すと、あとで手戻りが起きます。つまり赴任先で最初に鍛えるべきなのは、話し続ける力ではなく分からないところで止めて確認する力です。
確認は決まった型があるので、フレーズを覚えれば今日から使えます。英語力が低いうちほど効果が大きい部分です。
赴任先の英語はネイティブ英語とは限らない
アジアや欧州の拠点では、やりとりの相手も英語が第二言語ということが珍しくありません。お互いに母語ではない英語で仕事を回している現場が多くあります。
この場合に評価されるのは、ネイティブらしい発音ではなく誤解が生まれない話し方です。短く区切る、数字を繰り返す、要点を先に言う、といった工夫のほうがはるかに効きます。
出典・根拠:ジェニファー・ジェンキンス「English as a Lingua Franca(共通語としての英語)」— 国際的な場面の英語は非母語話者同士のやりとりが多くを占め、ネイティブらしさよりも通じやすさ(intelligibility)が実務上の鍵になるとする研究領域。
伝え方の作法は国によって変わる
同じ英語でも、ストレートに指摘するのが普通の国と、遠回しに伝えるのが礼儀の国があります。日本と同じ感覚で「察してもらう」前提で話すと、伝わっていないことが起きます。
英語が話せない不安の一部は、じつは文化差によるすれ違いです。言いたいことを先に、理由を後にという順番に変えるだけで、伝わり方は大きく変わります。
出典・根拠:エリン・メイヤー『The Culture Map』(2014)— 評価の伝え方や説得の順序といったコミュニケーションの作法が文化圏ごとに大きく異なることを整理したビジネス文化研究。



「英語ができない」と思っていた場面の半分は、順番と確認の問題でした。ここに気づくと、準備の方向がはっきりします。
英語が話せない不安を小さくする3つの対処法【渡航前】


ここからは、渡航までに実際に何をやるかの話です。海外赴任前の準備は、手を広げるほど不安が残ります。
やることは次の3つに絞って構いません。順番にも意味があるので、上から進めてください。
- 自分の仕事を英語で説明する30文を作る
- 毎日25分、人に向かって声に出す時間を確保する
- 聞き返す・確認するフレーズを体に入れる
対処1:自分の仕事を英語で説明する30文を作る
まずやるのは単語帳ではなく、自分の業務を英語で説明する文をストックすることです。所属・担当・扱う製品・よく使う数字を、短い文で30個書き出します。
赴任後に何度も繰り返すのは、実はこの30文です。自分の仕事の話は毎日必ず出てくるので、ここが言えるだけで沈黙の時間が大きく減ります。
文は長くしないのがコツで、1文15語以内にします。作った文は翻訳ツールで確認し、口に出して読める形に整えておきます。
対処2:毎日25分、人に向かって声に出す時間を確保する
30文を作ったら、それを人に向かって話す場が必要です。書けるのに口から出ない状態は、話す回数が足りていないだけのことが多いからです。
渡航まで期間が限られている人ほど、レッスン回数に制限のないサービスが向いています。1日に2回でも3回でも受けられるネイティブキャンプ公式サイトのような受け放題型なら、短期集中で話す量を一気に積めます。
ここで大事なのは、レッスンで新しいことを習わないことです。作った30文を毎回使い回し、同じ話を違う講師に繰り返すのがいちばん速く定着します。
対処3:聞き返す・確認するフレーズを体に入れる
3つめが、赴任先でいちばん使う確認のフレーズです。聞き取れなかったときに固まるか、聞き返せるかで、仕事の進み方が変わります。
聞き返しは失礼ではなく、誤解を防ぐための仕事の一部です。記事の後半に現場でそのまま使える表を載せているので、5つだけ選んで覚えてください。
渡航までの期間別・海外赴任に向けた英語準備の進め方


同じ準備でも、残り時間によって優先順位は変わります。3か月ある人と、来月出発する人では、やるべきことが違います。
ここでは残り期間ごとに、現実的な進め方を分けて説明します。
渡航まで3か月以上ある場合
時間に余裕がある場合は、最初の1か月を土台作りに使えます。中学レベルの文の型を確認し、自分の業務の30文を丁寧に作り込みます。
2か月目からは話す量を増やす時期です。週4〜5回のレッスンを入れ、作った文を実際に使って崩れる場所を探します。
3か月目は本番想定に切り替えます。会議の発言や電話会議を想定した練習に寄せ、聞き取れなかったときの対応まで通しで練習しておきます。
渡航まで1か月しかない場合
1か月しかないなら、文法のやり直しは捨てて構いません。使う場面が確実に来るものだけに全振りします。
優先するのは、自己紹介と業務説明の30文、確認フレーズ10個、そして数字と日付の言い方です。数字と日付は間違えると実害が出るので、ここだけは反射で言えるまで練習します。
レッスンは毎日入れて、内容は同じで構いません。短期間で仕上げる場合は、量より「同じものを繰り返す」ほうが結果が出ます。
すでに赴任していて話せないままの場合
赴任後に不安が強くなる人も多くいます。現地の英語が想像より速く、会議で発言できないまま数か月が過ぎるパターンです。
この場合は、その日にあったやりとりを素材にするのが近道です。実際に困った場面をそのままレッスンで再現し、言えなかった一文を作り直します。
現地は時差があるため、24時間受けられるサービスが前提になります。深夜や早朝でもレッスンが取れるかどうかを、契約前に必ず確認してください。
会議での発言に絞った悩みは、こちらの記事でも詳しく扱っています。
英語の会議で発言できない社会人へ|黙ってしまう3つの原因と割り込める5つの対処法
海外赴任前の英語準備でよくある失敗3つ


準備の方向を間違えると、時間をかけたのに渡航時点で話せないままになります。ここでは実際によくある失敗を3つ挙げます。
どれも真面目な人ほど陥りやすいものです。心当たりがあれば、今日から軌道修正してください。
失敗1:TOEIC対策に逃げてしまう
いちばん多いのが、参考書とTOEIC対策に時間を吸い取られるパターンです。点数という分かりやすい目標があるため、勉強した気分になれます。
ただ、赴任先で求められるのは読む速さではなく口から出る速さです。スコアがあっても話せない状態は、練習してきた行為が違うだけで珍しいことではありません。
会社からスコア提出を求められている場合を除き、渡航前の時間は話す練習に寄せてください。スコアと会話力のギャップについては下の記事で詳しく整理しています。
TOEICの点数はあるのに話せない社会人へ|スコアと会話力のギャップが埋まらない3つの理由とタイプ別の抜け出し方
失敗2:完璧な英文を作ってから話そうとする
頭の中で正しい文を組み立ててから話そうとすると、会話の速度に間に合いません。相手はその間に次の話題へ進んでしまいます。
実務では、短く区切って言い直すほうが正確に伝わります。主語と動詞だけ先に出し、条件をあとから足す形に慣れておくと現場で楽になります。
レッスンでも、完璧を目指さず言い直す練習をしてください。この癖がつくと、会議で固まる時間が確実に減ります。
失敗3:英語が苦手なことを隠したまま渡航する
英語ができないことを周囲に言えず、ひとりで抱える人もいます。赴任前の研修や着任後の会議で、分からないまま頷いてしまう状態です。
現地スタッフからすると、分からないのに頷かれるのがいちばん困ります。最初に「英語を勉強中なのでゆっくり話してほしい」と伝えておくほうが、その後の仕事はずっとスムーズになります。



最初に宣言してしまうと、聞き返すハードルが一気に下がります。隠すほど後が苦しくなります。
海外赴任前のオンライン英会話はどう選ぶ?


渡航までの期間が決まっている人の場合、サービス選びの基準は普通の英語学習とは変わります。見るべきなのは教材の豪華さではありません。
ここでは海外赴任の準備という目的に絞って、選び方の軸を整理します。
軸1:短期間に話す回数を積めるか
残り2〜3か月しかないなら、1日1回では足りないこともあります。回数制限のないサービスなら、平日夜に2回、休日に3回といった積み方ができます。
予約なしで即レッスンを受けられるかも重要です。ネイティブキャンプのように今すぐレッスンが使える仕組みなら、急な残業で予定が崩れても取り返せます。
軸2:ビジネス寄りの教材と講師がそろっているか
赴任準備では、日常英会話の教材だけでは足りません。会議・電話・メールの内容を英語で扱える教材があるかを確認してください。
教材の幅で選ぶなら【DMM英会話】オンライン英会話No.1のように、ビジネス教材やニュース教材まで含めて用意されているサービスが使いやすいです。赴任先の国籍に近い講師を選べるかも、実務を想定するうえで見ておきたい点です。
軸3:時差がある場所でも続けられるか
見落とされがちですが、赴任後も同じサービスを使い続けられるかは大きな差になります。24時間レッスンが取れるサービスなら、渡航後も学習が途切れません。
渡航前に契約して現地で解約する、という切り替えの手間もなくなります。無料体験があるうちに、自分の生活時間で実際に取れるか試しておくと安心です。
オンライン英会話が向いている人・向いていない人
向いているのは、自分の業務内容を自分で英語にできる人です。作った30文を持ち込み、講師に直してもらう使い方ができれば費用対効果は非常に高くなります。
逆に、何を練習すべきか自分で決められない状態が続くなら、会社の語学研修やコーチング型を併用したほうが早い場合もあります。自分で素材を用意できるかどうかが分かれ目です。
赴任先でそのまま使える確認フレーズ集
最後に、英語が話せない状態でも仕事を止めないためのフレーズをまとめます。丸暗記するのは5つで十分です。
| 場面 | 英語フレーズ | 日本語の意味 |
|---|---|---|
| 聞き取れなかった | Sorry, could you say that again more slowly? | すみません、もう一度ゆっくりお願いできますか |
| 理解を確認する | Let me check. You mean we ship it on Friday, right? | 確認させてください。金曜に出荷ということですね |
| 単語が分からない | I don’t know the word. It’s the part we use for packing. | 言葉が分かりません。梱包に使う部品のことです |
| 時間がほしい | Let me check with my team and get back to you today. | チームに確認して今日中に戻します |
| 書面でほしい | Could you send me the details by email? | 詳細をメールで送っていただけますか |
どれも難しい単語は使っていません。聞き返す・確認する・持ち帰るの3つができれば、英語力が高くなくても仕事は前に進みます。
渡航前のレッスンで、この5つを実際に声に出して使っておいてください。本番で初めて使うと、思っているより出てきません。
海外赴任と英語についてよくある質問
ここでは、赴任が決まった人からよく出る疑問に答えます。不安の正体がはっきりすると、準備に集中しやすくなります。
英語が話せないまま海外赴任しても大丈夫ですか?
結論として、多くの人が話せない状態で渡航しています。現地には通訳や日本語が話せるスタッフがいる拠点も多く、初日から流暢さを求められるわけではありません。
ただし、聞き返さずに頷き続けると業務上のミスにつながります。英語力よりも、分からないと言える姿勢のほうが早く効きます。
TOEICは何点あれば海外赴任で困りませんか?
点数で線を引くのは難しく、同じ点数でも話せる人と話せない人がいます。読む力と話す力は別に育つためです。
目安を求められる場面はありますが、渡航前の準備としては点数より自分の業務を説明できるかを基準にしたほうが実務に直結します。
家族も英語ができません。どうすればいいですか?
帯同する家族の不安は、本人以上に大きくなることがあります。仕事と違って現地で英語を使う場が生活そのものになるためです。
買い物や病院など生活場面のフレーズから始めると、短期間でも手応えが出ます。帯同する配偶者の不安については、こちらの記事も参考にしてください。
駐在妻で英語が話せない不安を消す5ステップ|渡航前の準備と現地で困らないコツ
まとめ:海外赴任の英語の不安は「確認できる」で小さくなる
海外赴任で英語が話せない不安は、英語力そのものより、基準の高さとやることの曖昧さから生まれます。やることを絞った時点で、不安の大きさは変わります。
- 評価と英語力を切り離して考える
- 目標は「仕事が止まらない英語」に置き直す
- 自分の業務を説明する30文を作る
- 毎日25分、人に向かって声に出す
- 聞き返す・確認するフレーズを5つ覚える
渡航日は動きませんが、今日からできることははっきりしています。まずは無料体験のあるネイティブキャンプ公式サイトなどで、自分の仕事の話を英語でしてみるところから始めてください。
1回話してみると、不安の正体が「英語力」ではなく「慣れ」だったと気づくことが多いはずです。渡航までの時間は、そこから使い方が変わります。



完璧に話せる状態で渡航した人を、私は見たことがありません。準備は「止まらない英語」で十分です。
佐藤みなと(英会話コンパス編集長)
30歳まで英語ゼロの元・国内営業。オンライン英会話10社以上を無料体験し、大人のやり直し英語をテーマに発信しています。
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